ブロガー4種の神器【その②】
脆弱ブロガー4種の神器、2つ目は「トラックボール」(以下 TBと略)である。
キーボード同様、こちらも非常に重要なデバイスである。
世間一般的には「マウス」の方が市場も大きく、ユーザーも多い。
家電量販店に行っても、売り場にあるのはほとんどがマウス。
TB売り場を探すのは至難の技だ。
私はコンピューターを使うようになった初期の頃から、TBを使っていた。
もちろんその頃からスタンダードは「マウス」だった。
だが私はどうしてもTBが使いたくて、何とか手に入れようと電気店をハシゴした覚えがある。
当然まだAmazonも楽天もなくネットで物を買う時代ではなかったので、ソフマップなどのPC関連の店を転々とした。
当時、TBを購入するのには非常に苦労した。
では、TBにこだわる理由は何か。
昔、子供の時に見たSF映画のワンシーンで、科学者がコンピューターを操作している場面があった。
その科学者はキーボードでプログラムを打ち込みながら、時々大きなボールをコロコロ転がして操作していた。
「あのコロコロは何だろう?」
それは紛れもなくTBだったのだが、当時子供だった私は何かもわからなかった。
だがSF大好きな私は、そのコロコロにとても「近未来」を感じ、自分もコロコロしたい!と単純に思った。
時間が経ち、大人になった私はSF好きも影響したのか、コンピューター系の大学に進んだ。
「Windows 3.1」というOSを勉強する授業に出ていた時のこと。(年がバレますな)
授業の中で「TB」が出てきた。マウスとの違いを先生が熱弁していた。
その時に「あっ!」と思った。子供の頃のSF映画のワンシーンが蘇った。
「あれは”トラックボール”という名前なのか!」
そして電気屋のハシゴが始まるのである。
今でもTBを使っている理由は何かと聞かれたら、この話をよくしている。
だが、世の中はマウス、マウス、マウス。
その波に押され、何度かマウスに乗り換えた時期もあった。
中でも、Appleの「マジックマウス」は非常に気に入っていた。
デザインも美しく、機能や操作性もバツグンだ。
だが、マウスは使いすぎると、手首に非常に負担がかかる。
「腱鞘炎」になりやすいのだ。
私もTBからマジックマウスに乗り換えて、気に入って使いまくっていた時に腱鞘炎になった。
マウス操作が痛みで困難になり、手首に負担のかかりにくいTBに戻った。
そこでTBの良さを再認識した。それ以降はTB一筋だ。
腱鞘炎にもならなくなった。
マウスの操作は腕全体で本体を動かすため、長時間の使用は手首や肩が非常に疲れる。
だがTBは腕を固定し指先だけで操作するので、この疲れがほとんどない事に気がついた。
さらにマウスは操作の為にある程度のエリアが必要になるが、TBは本体が置けさえすればよく省スペースなのも良い点だ。
もちろん、フリーハンドで線が書きにくいことや、ボールをたまに掃除する必要があるなど、デメリットも多少はある。
だが、もうTBにどっぷりハマった私は、マウスに戻れないのが実情だ。
最近はこの「腱鞘炎対策」にTBがいいという事で、各社が少しずつではあるがラインナップを増やしてきている。
実際、ヨドバシカメラのTB売り場が広くなっていた。これはTB派には嬉しい。
様々なTBが売られているが、私が愛用するのは「ケンジントン社」のTBである。
ケンジントン社のTBはほとんど全部使ってみたが、中でもダントツなのは「エキスパートマウス」これが最高だ。
ただTBなのに名前に「マウス」と付いているのが微妙だが。
上の写真が現在私が使用しているTB「エキスパートマウス/ホワイト」だ。
ホワイトカラーは廃盤で、現在はブラックのみ販売している。
私のものは有線タイプ(USB)だが、ワイヤレスタイプのものもある。
まず価格は約10,000円。PCデバイスの中では高価な部類に入るだろう。
ボールはビリヤードの玉ほどもある大きさ(約5.5㎝)で、非常にコロコロしやすい。
4つのボタンは全てカスタム可能で、ドライバ設定によりショートカットキーを配置もできる。
さらに2つのボタンの同時押しなどもカスタムでき、よく使う操作はあらかじめ登録しておく事で作業がはかどる。
ボールの周囲にギザギザのリングがあるが、これが「スクロールリング」でWeb閲覧や映像編集でタイムラインを操作するには必須。
などなど、私にとっては言うことなしのTBだが、今までマウスしか使って来なかった人には、最初は非常に操作しにくいかもしれない。
だが慣れて使うだけの価値はあると思う。
腱鞘炎対策にもなるので、脆弱ブロガーの方にオススメだ。
実は今使っている「エキスパートマウス」は2代目で、私の初代エキスパートマウスはこの上の画像のタイプだった。
「機能的で美しい究極のトラックボール」と言われ、様々な業界のプロフェッショナルが使っていた。
私もこの憧れだったケンジントンのTBを手に入れた時は、喜びのあまり1日中コロコロしまくっていた。
現在の2代目に交代するまで、毎日のように使い倒した。
この初代は現在のような光学式でなく、金属のベアリングでボールを支えるタイプのものだった。
またスクロールリングもまだ搭載されていなかった。
プロダクトという点では物理機構のベアリングより、現在主流になった光学式の方がスタンダードと思うし、スクロールリングはもはや必須だ。
現在は惜しくも廃盤となり、後継機種にその座を譲った。
この初代に戻ることは恐らくもうないのだが、今でも手放せず大事に持っている。
それは、子供時代に憧れたあの科学者が使っていたTBの姿を、この初代に重ねているからかもしれない。
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