動画撮影のコツ【音声編①】
音声は映像を作る上で、非常に重要な要素なのだが、案外気にしていない人が多い。
音声は大きく分けて、音量、音質、雑音の3つを意識する必要がある。
コンテンツ配信ではセミナーやワークショップの形態が多いので、「人の声」が重要になる。
最近のビデオカメラはもちろん、スマートホンでも録画をすれば音声は当たり前に録音されているものだ。
映像と音声はセットなのだ。
特に気にしなくても、録画をスタートすれば無条件に音声はきっちり録れていると思っている人が多いものだ。
だが、本当にそうだろうか?
録画する時は、ビデオカメラやスマホのディスプレイ画面を見て、アングルやズームなどを細かく調整して、きちんと映像が撮れるようにチェックする人も多いだろう。
では、音声はどうだろう。
ヘッドホンやイヤホンをカメラやスマホに接続して、実際にしゃべった声の音量を確認している人はどれだけいるだろう?
そういう事をしているとすれば、その人はおそらくプロの業者だ。一般人でやっている人はほとんど見かけない。
それぐらい音声に関しては、みんな意識が低いのだ。
そのくせ録画が終わって映像を確認すると、音が小さかったりする。すると、
「音がちゃんと入ってない」「よく聞こえない」
と、まるでカメラやスマホが悪いかのように言う、これが責任転嫁である(笑)
まず認識して欲しいのだが、カメラやスマホについているマイクというのはそれほど性能が良くない。
もちろん最近のものは10年ぐらい前のに比べると遥かに性能が良くなったが、それでも所詮は機器に付属しているマイクだ。
アナウンサーや歌手が手に持って使っているマイクとは比べものにならない。
なので、様々なことに意識する必要がある。
まずは音量を適度にする。これが重要だ。
例えば自宅の一室で自分がしゃべっている所をスマホで撮影するとしよう。
その時にスマホからかなり離れて普段の会話ぐらいの声の大きさでしゃべっている人がいるが、これでは音声が小さく録画されてしまう。
何をしゃべっているかはわかるのだが、語尾が聞き取れなかったりハキハキした感じがない分、動画コンテンツとしては失格である。
スマホでしっかりと自分のしゃべりを録画したければ、ズームをしない状態でディスプレイにバストアップ(胸から頭の上まで)ぐらいに映る場所に立ち、背筋を伸ばして比較的大きな声でハキハキとしゃべる方がいいだろう。
うつむき加減でモゴモゴしゃべっても、何だかよく聞こえないからだ。
もちろん本番録画を始める前に必ずテスト撮影をして、イヤホンで聞いてみるのは鉄則だ。
ビデオカメラはスマホよりもマイクの感度がいいが、事前にネットで調べるか説明書を読んで何mぐらい離れた場所がマイクの限界かを知っておくようにしよう。
次に音質。これはカメラやスマホで調整するのは難しい。
カメラはプロ用に近いものであれば、メニューから音質の調整などができるものもあるが、5万ぐらいまでの民生カメラは基本的に調整できないものが多い。
スマホの場合も特殊なアプリなどを使えば音質調整できるものもあるが、一般的にはないと思った方がいいだろう。
なので音質というのは、すべて機械まかせになってしまう。
あとは録画する環境に左右されるのだ。
先ほどの例で言えば、ハキハキとしゃべる必要があると言ったが、これにも限度がある。
あまりに大きな声で叫び気味にしゃべると、マイクが入力オーバーしてしまい音が割れてしまうのだ。
「音が割れる」というのは、音声が大きすぎてバリバリと歪んでいるような状態のことだ。
こうなってしまうと、もうアプリで調整しても修復は不可能だ。
音声が割れていないか、そしてハッキリと聞こえるように撮れているか、事前にテスト撮影をするのが必須である。
最後に雑音(ノイズ)。これは常に意識しておかなければならない。
雑音と聞くと「ザザーッ」みたいな、機器のエラーで発生する音のように思っている方も多いが、それだけではない。
録画する対象の音以外の音は、すべて雑音なのだ。
今回の例のように家で自分がしゃべっている動画を撮るのであれば、自分の声以外はすべて雑音だと言えるのである。
雑音は少なければ少ないほど良いのだが、すべてを消すのは難しい。
例えば静かな夜に撮影をしていたとする。
すると外から聞こえて来る雑音の多さに気づくことだろう。
救急車のサイレンの音、車のクラクションの音、隣の人が帰宅したドアの音、犬の遠吠え、などなど、、
これらは自分で制御することができない。
もし録画中にこういった雑音が入ったら、一旦しゃべるのをやめて、その前後から撮り直す方がいいだろう。
たまに配信されているコンテンツを見ていると、しゃべっている声に重なってずーっと工事現場の音が入っている動画があるが、非常に見るのが嫌になる。
せっかくいい話をしている動画であっても、途中で見るのをやめてしまう。
そうならないようにしたい。
あとは部屋の中でも実は雑音は多い。
エアコンの駆動音、室内空調の音、スマホの着信音、冷蔵庫の音、、、
これらはある程度、自分で制御できるので意識をすることだ。
室内空調や冷蔵庫を止めるわけにはいかないが、エアコンを切ったりスマホをOFFにはできるので、事前に忘れずに切っておく。
あと当然だが、昼間よりは夜の方が全体的に世界が静かなので、撮影は人が起きている時間帯の夜間にするのがオススメだ。
続きはその②へ。
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