カリスマ講師の話(後編)

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Facebookの友達にこんなスゴイ人がいるとか、私のツイートのいいね数がハンパないとか、そういう話ばかり。だからみんなもSNSを頑張ろう!という内容でセミナーは終わった。

最後に今日のセミナーの内容をもっと詳しく知りたい人は、本日即決でコンテンツを販売させて頂きますと言いだした。金額が30万円。

「さ!今日のセミナー内容をもっと深く勉強して成功しようよ!」

といって会場全員にそのコンテンツの契約書とボールペンを配りだした。

もちろん強制ではないのだが、結局そういうセミナーかぁというような落胆した受講者たちの雰囲気が会場に広がった。

講師は空気が読めないのか「あれぇ?どうしたのぉー皆さん?契約して成功でしょぉー?」

もはやインチキセールスマンみたいな感じになって来ていたので、私はとうとうガマンできずに、

 

 

「他の受講者の方が今日のセミナーをどう思ったかはわかりませんが、僕には30万を払ってまで欲しいコンテンツだと思えませんでした。契約書はお返しします。ただ、ビジネスにSNSが大事なのは再認識できてよかったです。」

 

 

私は思った事をすぐに言ってしまうクセがある。会場はシーンとしてしまったが、本心なので仕方ない。

講師に書類とボールペンを返して、真っ先に会場を後にした。

会場を出てエレベーターを待っていると、次々に受講者がドアから出てきた。

みんなの印象も同じだったかと、少しホッとした。

 

 

その講師が独立して成功しているのは事実でしょうし、facebookの友達2000人が人脈になってることも事実だろう。

コンテンツ30万円もぼったくり価格ではなく正当な金額だと思う。

セミナーを開いて人を集めて物を売るという行動をしている事は、今の起業した自分が見てもスゴイなと思う。

だがやはり魅力を伝えられないと意味がない。

それはコンテンツの中身ではなくて、その人に魅力があると感じれるかどうかではないかと思う。

せっかく集客できてるのに販売ができない。

セミナーはどう聞いても「僕ってスゴイでしょ!」という自慢話にしか聞こえなかった。成功体験という意味ではアリかもしれないが、話し方や雰囲気がいいと思えない残念なカリスマ講師だった。

 

自分が何かを教える立場になった時には、こういう講師にならないようにしようと学習できた良いセミナーだった。

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