映像編集者のヒトリゴト

YAMAHA NS-10M STUDIOは今も現役です

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伝説の名機と言われるヘッドホン

SONYのヘッドホンで「音楽業界標準」と言われる機種があります。MDR-CD900STという型番のもの。音響系の専門学校に行っていた時も、レコーディングスタジオに入った時も、音楽の現場で働いていた時も、みんなが当たり前に使っていたヘッドホンでした。様々なスタジオで見かけたし、使っている人もたくさん見かけました。もちろん今も現行機種バリバリでユーザーもぶっちぎりで多く、私もいまだに使っております。

 

昔、このヘッドホンがあまりに使われているので学生時代の先輩に「なにがそんなにいいのですか?」と聞いたところ、「ええもんはええんや!」と関西弁丸出しで即答されました。そうか、この先輩は自分では良さがわからないが「良いと言われているから良い」という判断で使っているだけなんだろうなと自分で納得した記憶があります。

 

実際に使ってみるとリスニングヘッドホンでありがちな、低音が持ち上がっていて迫力があるように聞こえたり、高域が耳ざわりにならないように抑えられていたりといういわゆる「音の加工」がほとんどありません。どんなヘッドホンでもある程度はメーカーによる音の特色があるものですが、MDR-CD900STはそれがほぼないという事で、業界で受け入れられたようです。(個人的には少し高音がキツイように感じますが)

 

サウンドエンジニアなど音を作る(加工する)仕事をする人は、素の音を聞く必要があるわけなので、ヘッドホンで音質や音色が変化してしまうと仕事になりません。そういう意味でフラットな再生能力がある機材がプロの現場では重宝されるというわけです。今だにヘッドホンではMDR-CD900STが業界標準のようですが、ひょっとしたら他の候補も出てきているのかもしれません。

 

伝説の名機と言われるスピーカー

今回のタイトルにあるYAMAHA NS-10M STUDIOという機種は、先ほどのSONYのヘッドホンのスピーカー版に当たるものです。現在は生産完了になりましたが、過去にYAMAHAが生産していたスタジオ用のモニタリングスピーカーでした。今だに人気が高く、中古市場でプレミア扱いされているようです。音響の勉強をしていた20才の頃の私は、音もよくわからないのに先輩に習った「ええもんはええんや!」精神でこのスピーカーを購入しました。

 

楽器屋に行き同じくYAMAHAの「A100a」というアンプと一緒に購入しました。このアンプは「NS-10Mをドライブさせるならコレだよ」と楽器屋の店員さんに言われるがまま買ったアンプでした。その時「ドライブ」の意味がわからず困惑した記憶があります。(ドライブは簡単に言えばアンプでスピーカーを鳴らすって意味です)総額10万円でした。20才の私は正直高いと思いましたが、20年経った今でも現役で使っているので、今思い返せば安い買い物だったと思います。(下の写真参照、上に乗っているのはスターウォーズのロイヤルガード)

さらに当時、このスピーカーが業界標準だということで様々なレコーディングスタジオに導入されているのを見かけていたのですが、「高音が少し出過ぎる」という唯一とも言えるこのスピーカーの難点が悪評となっていました。その対策として「ツイーターの前にティッシュを貼る」なんてのも流行してました。(ツイーターはスピーカーの高域が鳴る部分。NS-10Mでいうと右側の網がかかった黒い円の部分)という事で20年ぶりにティッシュを貼ってみました。

助けてくれ、ダサすぎる。。20年ぶりに見たこの光景は、やはりダサすぎです。私は当時からこの光景が嫌いでしたwいくら効果があったとしても、音楽スタジオという憧れの場所でのこの姿は悲惨です。20才の私には受け入れられませんでした(もちろん40才の今でもムリです)

 

ですが当時、このようにしているスタジオが本当に多くありました。効果のほどは多少あるようで、ティッシュをそのまま使うか1枚剥がしてさらに薄くして貼るかなどのテクニックもあったような、、、。まぁ、仮にこれで音が良くなるとしても自分としてはやりたくない手法ですw見た目も大事だと思う方は、他の方法を探しましょう。

 

ちなみに、このティッシュを止めているテープは「マステ」と呼ばれ、音楽スタジオやPAの現場では必須アイテム。マスキングテープの略で「マステ」ですが、商品名は「ドラフティングテープ」なので「ドラテ」と読んでいるエンジニアもいました。

このテープは仮止めするときに使う粘着力が弱めのテープですが、スタジオでの主な使用用途は機材セッティングの状態を書き込んで貼り付けることでした。キーボードのツマミの位置を記入して貼り付けたりしていました。仕事が終わって剥がし忘れていたときには、先輩・上司に怒られたものです。いやぁ懐かしい。

そんな伝説の名機YAMAHA NS-10M STUDIOですが、現在はAVANTONEが復刻品のようなものを販売して話題になっているようです。どれぐらい忠実に再現できているか、聞いてみたいな。

 

AVANTONE CLA-10(ペア)

 

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